市場を操作して利益を得る『見せ玉』の手口とは
先日、某銀行系証券会社による国債先物の市場操作が発覚しました。
当社の先物トレーダーが、『見せ玉』と呼ばれる手口を使い、国際先物市場を操作して不正に利益を得たという事件です。
そこで今回は、見せ玉とは、具体的にどのような行為かを説明していきます。
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見せ玉(みせぎょく)とは、約定の意図がないにも関わらず、大量の注文を発注し、取消すことで、市場における取引が活発であると見せかけ、第三者の取引を誘因する行為のことです。
見せ玉は、莫大な資金を使ってボラティリティ(変動率)をコントロールし、あたかも多くの投資家がその市場に参入しているように見せかける行為なのです。
たくさんのマネーが投資されることで株価はグングン上がりますが、最後は見せ玉の行為者が大量の売り注文を出し、参入した投資家たちは損失を出します。
現在、たくさんの方が仮想通貨の取引をされていると思いますが、なぜ仮想通貨市場はそんなに人気な市場になったのでしょうか?
それはボラティリティが大きく、投資家にとって儲かるチャンスが多いからなんですね。
甘い話には簡単に乗ってはいけません(笑)
見せ玉を行うには、そもそも莫大な資金が必要なので、主に銀行や証券会社などの機関投資家によって行われます。
今でこそ見せ玉は金融商品取引法によって厳格に規制されていますが、2005年以前は規制がなく、機関投資家による見せ玉が野放しになっていたと言われています、、、
証券マンがよく詐欺師だ~と罵られるのは、こういうところが原因かもしれませんね(笑)
なお今回の一件では、当該先物トレーダーが見せ玉によって得た利益は158万円。
対して金融庁から当銀行系証券会社に課せられた課徴金は、2億円とも言われています。
不正ダメ、ゼッタイってやつですね、、、(笑)
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近年金融機関の不祥事が多発していることから、規制がどんどん厳しくなっていることがわかります。
来年から証券マンとして働く私としては、何とも言えない複雑な気持ちです(笑)
ですが規制が厳しくなっているということは、それだけ消費者の安全な立場が保証されているということです。
投資に対して消極的な人は多いかと思いますが、試しにやってみるのもアリではないでしょうか(笑)
それでは、また明日。